近藤裕希のページ

 
 
 
 
 

冬の切れ間

 今日は久しぶりに暖かさの感じられる日である。クリケは外套の首元を緩め、長閑かな心持ちでクロノスの大平原を歩いている。足元はこれまでに降り積もっていた雪が融けて泥濘るみ、クリケが歩くとピチャリピチャリと粘性のある泥が撥ねた。

 季節柄、そう長くは続かない陽気とは分かっているけれど、クリケの心は弾んでいた。これから自分とその周辺がどうなっていくのか、何の予感も見通しも無い。ただ、日和の良い一日にこうして恵まれただけで、もうそれで良いような気分になるのだった。

 

2012年1月24日火曜日

呪いと奇蹟と祝福と 第二篇:大王国の瓦解

第八十七話

 
 
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