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軋轢と波紋

 不満の残る月夜の夜会からマインの邸宅に帰って来たユールリアムを待っていたのはグロウゼオにより署名された一通の命令書だった。今回、ハルヴァーナにおいて神聖なる大王国に対する反乱が勃発した。ハビスラムド家もその戦費を負担せよ。そんな内容である。ユールリアムが衝撃を受けたのは、命令書と同梱されていた一通のグロウゼオからユールリアムに宛てた私書である。「貴殿の弟の行いたる幾つかの所業について問いたき事これあり。ハルヴァーナに貴殿も参加されたし」

 ユールリアムは突然舞い込んだ死の手紙に平静を失った。月夜の夜会で見たあの男が何を目指しているのかは知らぬ。ただ、私はあいつに殺される。私の栄光も名誉も富も全てが踏みにじられるのだ。許さぬぞ、グロウゼオ。私にそのような仕打ちを出来る者などこの世にはおらぬ事を私の持つ全てを賭けて証明してみせる。くそっ。惨めに息絶えるのは私ではない、お前だ。グロウゼオ・ビュロスよ。

 

2012年1月22日日曜日

呪いと奇蹟と祝福と 第二篇:大王国の瓦解

第八十五話

 
 
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