近藤裕希のページ

 
 
 
 
 

兆しの秘めたる思い

 狂える神人の住まう古城へ降り立とう。遥か昔に粉々に砕け散った彼の心の破片が一つ欲しい。随分と抜け落ちた私の羽毛を生やさねばならぬ。彼の心の欠片をこの胸に吸い込み、世界中に振り撒こう。私などにさしたる奇蹟は起こせぬが、私の心に沁み着いた穢れをあの者の澄んだ魂に委ね、我が身を清めよう。そして、もう一度大空を羽ばたくのだ。私の美しい姿を崇める者たちが、そのようなものは空しきものと知らぬれども、一時の慰めとなるのであろうから。

 

2012年1月20日金曜日

呪いと奇蹟と祝福と 第二篇:大王国の瓦解

第八十三話

 
 
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