近藤裕希のページ

 
 
 
 
 

届く当てのない手紙

 クロランティーヌ、私が今こっそりと進めている遠大な計画を知ったら、あなたはどう思うのですかね。いや、ひょっとしたら、あなたはもう知っているのかもしれない。まだ小難しいことは分からないでしょうけれど、私の心の中にある何かをあなたは敏感に感じ取っているような、そんな気がしてなりません。だから、あなたは、あの時に泣いて、今もこうして私があなたの許へと帰ろうとするのを拒むのでしょう。私は自分の事を誰よりも賢い者であると自惚れていますが、でも、あなたの事になると私は動揺してしまう。私はこんなにも様々な事を見通せるのに、あなたの心を覗こうとすると私の才能は曇ってしまう。

 ごめんね、クロランティーヌ。私、この世の運命のスイッチを押しちゃった。引き返すなんてこと、もう、出来ないんだ。

 

2011年12月23日金曜日

呪いと奇蹟と祝福と 第二篇:大王国の瓦解

第六十話

 
 
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