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煩悩の化身

 人々が目を背け、心の奥底に無理矢理に押し込めたる醜悪にして清冽なる魂よ。私は汝らを解き放たんと尽力する者なり。この世が乱れたる所以とは、その醜きを隠し、それを美徳としたるものである。

 発露せよ。思いのまま、その醜悪なるも清冽なるもさらけ出すのだ。清冽なる魂は醜悪なる魂を焼き、醜悪なる魂は清冽なる魂を爛れさすであろう。全てがなじりあい、滅ぶであろう。醜悪であることが悪いわけではない。清冽であることが善きことでもない。

 ただ、全ての衝突により、焼かれ、爛れても、なお残るものこそがもののあるべき姿。皆はそれを受け入れねばならぬ。それが出来ぬならば、それは、まだ戦いが足らぬ証拠。志のある者よ、あの漆黒の台座に納められし炎の剣を手に取り、全ての決着が果たされるまで、争うがいい。

 如何に美辞麗句を尽くそうとも、それがお前たちの定めなのだから。

 

2011年12月1日木曜日

呪いと奇蹟と祝福と 第二篇:大王国の瓦解

第三十八話

 
 
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