近藤裕希のページ
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名誉を授かる前に
最近のユールリアムは、月夜の夜会に出席するにあたり、どのような服装が好ましいかについて考えるのに忙しかった。他の事が手につかない。知識人の代表とも言える魔法使いたちの集いに招かれた事は、彼の自尊心をこの上なく満たし、有頂天にさせていた。彼は、不祥事を引き起こしている弟の事すら取るに足らない問題のように思えて来た。ついに、彼は経済人のトップというだけでなく、学問の世界においても賞賛される立場となるのだ。私の才能に比すべき者は、今の世にはいない。彼は自身の現況を思い、そこまでのぼせ上がっていた。
彼は確かに遥か高みにある栄光への階段を、一歩々々しっかりと踏みしめながら上がり続けて来た。しかし、その階段の床が何らかの理由で突然崩落する危険性について考慮する事は無かった。全てが順調なままここまで来た彼には、恐れるものなど何も無かったのだ。
2011年12月18日日曜日
呪いと奇蹟と祝福と 第二篇:大王国の瓦解
第五十五話