近藤裕希のページ

 
 
 
 
 

二人だけの義憤

 なあ、カラ・コルムよ。お前とわしと、何故にまた、こんなに隔たってしまったのだろう。お前もわしも、同じ理想と信念を貫き、ここまで来た。なのに、何故、お前は人に批判され軽蔑され、わしは同じ人に敬われ持ち上げられているのか。

 神人は皆、この世界を去った。皆、諦めたのだ。お前とわしだけが、何かを諦められずにこうして居残っている。わしらは愚かなのかもしれん。だが、間違っているとはどうしても思えんのだ。

 わしは悔しい。お前がそうして希望と失望に振り回されて、侮蔑されておることが。わしもお前も、お前を侮蔑する人間を同じ場所に導こうとしている。何もかもが狂っている。お前のみならず、わしも、わしらが導こうとする人々も皆、狂っている。全ての存在が矛盾に満ち、全ての行いが無意味に思える時がある。

 いつかきっと、わしはお前ともう一度、手を携える。失望のどん底にいる今のお前を、どうしてやれば良いのか、わしには分からん。だが、決してわしはお前を見捨てはせん。わしだけは決してお前を見捨てはせんのだ。

 

2011年12月13日火曜日

呪いと奇蹟と祝福と 第二篇:大王国の瓦解

第五十話

 
 
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