近藤裕希のページ
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虚しき者
誰一人として信頼してはならぬ、かねがね我はそう自ら大いなる意思に誓って来た。いや、人のみならず何事に対しても信頼してはならぬ。”大いなる意思への誓い”すら茶番というもの。真意は不知なる者どもを手のひらで思いの侭に操り、その愚かさを黄金の玉座で笑い、如何に我が特別なる存在であるかを噛み締める事にある。
誰にも我に指図はさせぬ。誰もこの王間に至らせぬ。我は誰とも比較されるべき存在でなく、絶対的な存在、アニュマルホン、ひいてはティベスタリオンの真の王なのだ。我が右手を西から東に振れば、太陽すら西から昇り東へと沈み行く。ジャルヴァラン人とリュネイル人との争いは暇つぶしに過ぎぬ。遠大なる虚空を睨み、我の狂気が世界の隅々にまで浸透してゆく様を眺めるのだ。
あらゆるものを拒む事により、我は絶対となった。何者も何事も我が創り上げる宇大なる世界に手を加える事は許されぬ。たとえ、それが神人であろうとも、大いなる意思であろうとも、だ。あらゆるものの変遷は全て、我が、我のみが決める。
旧き大いなる意思よ、絶望するがいい!我こそが、新たなる大いなる意思となり、そなたの意思はもはや何事にも反映されぬのだから。
2011年10月28日金曜日
呪いと奇蹟と祝福と 第二篇:大王国の瓦解
第四話