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第一章 あらゆるものにして唯一なるものの帰還


プロローグ

 人間というものは、ある事柄を契機として突然成長する時がある。しかしながら、何もせずして成長する事は無い。ジャルヴァラン人をリュネイル大王国から一掃したクリケ・レードが魔法使いオルファルリアと共にローランチェリーの森に帰還した話である。クリケはオルファルリアとの再会により、剣の使徒である事を放棄した。自分の本当の願いを叶える為、母親の住むウルフェンクの古城を目指したのだ。”剣の使徒”という役目を暫定的にせよ果たし、我に返ってみると、本当に自分が望むものとは、『あるがままの自分を誰かに無条件で受け入れてほしい』、それだけだったのだ。オルファルリアも猪の面の騎士も(そして、ツォルンさえもだ)、クリケのその願いをごく自然に受け入れてくれた。クリケは流星になってピュッーと母の住む古城へ飛んで行きはしなかったが、ナクサズの剣を猪の面の騎士に託し、オルファルリアと共にローランチェリーの森へと一路向かうこととなった。宇大なる世界が引き起こした奇跡を垣間見たクリケだが、そうと言えども本当の大人になったわけではないのだ。この噺はそうした青年クリケ・レードの物語である。

 

2011年10月25日火曜日

呪いと奇蹟と祝福と 第二篇:大王国の瓦解

第一話

 
 
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