2009-2010

 J027/J474  応用法社会学ホームページ 

 



1 観察される秩序としての法

2 社会科学におけるエスノメソドロジーの位置

3 経験科学的分析の論理

4 社会の経験科学の課題

5 社会的行為の発見ー社会学入門(1)

6 社会的行為の合理性ー社会学入門(2)

7 社会的相互行為とその背景ー社会学入門(3)

8 エスノメソドロジー入門

9 発話順番の構造ー会話的相互行為の構造 (1)

10 発話のシークエンス

                           ー会話的相互行為の構造 (2)

11 さまざまな文化における

社会的相互行為とルール

12 もめごとのプロセス

13 事実の認定

14 非難と防御

15 法的決定と社会

教材配布ページ

 (ユーザ名 honkan  要・パスワード)

 

 本講義は、エスノメソドロジーと呼ばれる手法を用いる法社会学の研究とその方法への入門である。受講者は、経験的社会科学・エスノメソドロジー・法社会学の基礎論理も学び、エスノメソドロジーと会話分析という分析手法を学び、その知見を理解する。また、会話データの収集と分析の実習も行う。

 法社会学は、法現象を一般的に対照とする経験的社会科学であり、エスノメソドロジーは、社会の規範的秩序の解明を行うための、社会学的理論および方法論の集合である。

 授業では、法社会学への入門とエスノメソドロジーへの入門を行う。さらに、その両者を結びつけて、法的事実認定、法解釈、私的秩序化、紛争処理等の法現象とその社会関連性を、合理的に解明するための一つのやり方を学ぶ。

 

EMAIL : skashimu@kobe-u.ac.jp        OFFICE: #5th blg.-512         PUBLICATIONS

講義スケジュール

担当: 樫 村 志 郎    教室: I-306    時間: 毎週金曜日(15:10-16:40)

講義目的

お知らせ

遅くなりましたが第12回スライドを本ページに公開しました.(2010.2.8)

第11回スライドを本ページに公開しました.(2010.1.8)

最終レポート課題を出題しました.締め切りは2月12日です.(2010.1.7)

レポート提出者はこちらから受付状況を確認してください。(教材配布ページと同一のID・パスワード)(2010.1.6)

第10回スライドと会話分析Q&Aを本ページに公開しました.(2009.12.18)

会話の素材の転記記録を教材配布ページにのせました.(要パスワード)(2009.12.18)

第9回スライドを本ページに公開しました.(2009.12.11)

冬休み前の課題を出題しました.締め切りは12月25日です.(2009.12.4)

第8回スライドを本ページに公開しました.(2009.12.4)

第7回スライドを本ページに公開しました.(2009.11.27)

第6回スライドを本ページに公開しました.(2009.11.27)

第5回スライドを本ページに公開しました.(2009.11.6)

第4回スライドを本ページに公開しました.(2009.10.30)

11.13は六甲祭・厳夜祭準備のため休講となるようです.(2009.10.23)

第3回スライドを本ページに公開しました.(2009.10.23)

第2回スライドを本ページに公開しました.(2009.10.16)

テーマと予定表に第1回のスライドなどを公開しました.(2009.10.2)

2009.10.9は都合により休講します.(2009.10.2)

応用法社会学ホームページを作成しました.(2009.9.30)

1 観察可能な存在としての法 (2009.10.2)

 書物の法と行動の法 法のワーク 法のワークの観察




 






 スライド資料  


 参考文献:「法現象の分析」(樫村著作一覧の[62])神戸大学図書館では

 その他の「規範の撮影」結果


 教科書(1989年版1997年版)との対応: 第1章、とくに8-19ページ


2 社会科学におけるエスノメソドロジーの位置 (2009.10.16)

 起源 シュッツ 現象学的社会学 発展 批判



        

エスノメソドロジーは、フッサールの現象学と、シュッツの現象学的社会学に主要な起源をもちます。現象学的思考法は、空間、時間、意味の主観的で、社会的な構成のあり方の解明をめざします。地平、内的時間、言語の指標性という主要な方法論的概念について説明しました。また、シュッツの重要な理論である、多元的現実論を紹介しました。エスノメソドロジーと会話分析の説明は次回に回します。 



 スライド資料


 参考文献:「ドンキホーテと現実の問題」『現象学的社会学の応用』お茶の水書房1989年

        神戸大学図書館では


3 経験科学的分析の論理 (2009.10.23)

 科学的思考と日常的思考 観察と解釈 一貫性と再現可能性 社会の観察科学



       

会話は、会話者が他の会話者者を理解して反応することによって、進行させていく社会的過程です.それは、他者を理解する方法ー「人々の社会学」(エスノメソドロジー)ーの実践的応用過程です.科学的思考法は、自然や社会の観察と分析によって得られた情報を総合して、対象についての知識を増進させる方法です.その知識は理論へとまとめられます.社会科学のユニークな性質は、研究者がすでに対象についての知識をもちその現状を生産することににかかわっていることから生じてきます(研究の自己反映的性格)。 



 スライド資料


 教科書:「もめごと」の法社会学(第3章)


 参考文献:樫村「法社会学の現在」(業績リストの[60]) →教材配布ページ


4 社会の経験科学の課題 (2009.10.30)

 社会科学的思考の起源 社会という存在 権力と自由 規範と合意 意味と行為


       

社会の経験科学的研究は17世紀に始まります.ホッブズによる政治権力の成立の説明は、普遍的人間のモデルを出発点とし、モデルから政治的権力成立までのメカニズムを説明し、この普遍的説明に基づき実践的理論を構築する、という点において、近代的社会科学の特徴を備えていることを説明しました.多くの社会理論がこの特徴を持ちます.近代的社会理論は、政治権力の社会契約論の上にたち、権力と自由(義務)、規範と合意、意味と行為という3つの概念対を焦点として、政治社会のあり方を問うものと言えます.


 


 スライド資料 (2009.10.30 差し替えました)


 参考文献:樫村「公共性−<私的なもの>からのアプローチ」(業績リストの[86])

      →教材配布ページ

 

5 社会的行為の発見ー社会学入門1 (2009.11.6)

 パーソンズ 行為 規範 共通規範 期待の体系 批判と擁護 

 

 第5回のスライド


 参考文献:「もめごと」の法社会学 第4章 58-85ページ (とくに、58-68ページ)


6a 社会的行為の合理性ー社会学入門2 (2009.11.13)

 ウェーバー 意図 合理性 合理性の分類 批判(合理性の捉え方)


6b 社会的相互行為とその背景ー社会学入門3 (2009.11.20)

 デュルケム 集合意識 文化 外在性 拘束性 社会的なもの













 第6回のスライド


7 エスノメソドロジー入門 (2009.11.27)

 ガーフィンケル  指標性 反映性 達成 ルールの観察 解釈されるルール 法とその解釈


 第7回スライド


 教科書との対応:第4章、69-86ページ


8 発話順番の構造ー会話的相互行為の構造1  (2009.12.4)

 会話の理解可能性 会話分析の始まり "I can't hear you"  

 

 第8回スライド


 第1回レポートを出題しました.   課題と提出要領


9 発話の系列的秩序ー会話的相互行為の構造2 (2009.12.11)

 会話の秩序性  発話順番の社会的性質 


 第9回スライド


 授業で使った音声記録1、2および参考論文を教材配布ページにのせました.


10 発話の系列的秩序ー会話分析の練習 (2009.12.18)


 会話分析Q&A    (ページ順序が乱れていたので差し替えました.2009.12.19 3:00AM)


 第10回スライド


 レポート提出状況(提出者はこちらから確認してください)


11 会話分析の応用—法律相談 (2009.1.8)

 質問と答 法律相談の開始連鎖 なぜ自発的語りをためらうか 発話と規範的コミットメント


 第11回スライド


 参考論文:樫村「法律相談における協調と対抗」→ 教材配布ページ


12 会話分析の応用—事実の認定  (2010.1.15)

 事実提案と事実確定 日常的事実認定 法的事実認定 法の規範性


  第12回スライド


13 会話分析の応用—さまざまな法的コミュニケーション (2010.1.15)

 否定的な出来事の語り 不安の語り 防御の諸方法


 教科書との対応−第5章、第6章


14 法的決定と社会 (2010.1.22)

 法的に語るとはどのようなことか 合理性の再帰的表現としての規範/法


 教科書との対応−第7章

 

テーマと予定表

本日の講義では、法(規範)を観察するには、「規範の情景」だけでは不十分で、「その情景が〜という規範の情景であること」を伝える情報が必要だということを、説明しました.この結論は、「規範を観察するためには、その規範が明示されて使用されている場面を知ることが必要だ」と述べることができます.法のワークとは、この「規範を明示して場面のなかで使用する」というさまざまな作業だと言えるでしょう.

20世紀の初頭における社会学が直面していた方法論上の課題は、人々の社会のもつ合理性と具体的歴史性とを調和させる方法を見いだすことでした.デュルケムは、社会学の対象を、独特な「もの」(社会的事物)と見なすことで、社会が合理的であれ、非合理的であれ、それをあるがままに観察する方法として、社会学を構想しました.ウェーバーは、社会学の対象を、人間の具体的歴史の中での、「意味」(文化、文明)の解明にあるとして、その合理性の歴史的具体的的類型(理念型)の構築を試みました.両者の社会学は、2つの異なった方法で、社会の合理性と具体的歴史性の解明を行うものでした.