

HITOMI TAKARA
2011年1月10日月曜日
<<高良仁美先生を囲んで、右=中村友子、左=中村弥生>>
高良:私が中村友子さんと初めて会ったのは、まだ高校2年生の時だったと思います。コンクールに出場するにあたって私が伴奏を頼まれたからなんですが、その時からトロンボーンを吹く事に関しては才能を感じていました。ただ演奏と見た目のギャップにかなり戸惑いましたけど。(笑)
友子:その時から面倒を見てくださってありがとうございます。高良先生には本当にお世話になってきているんですが、その頃千葉でやっていたトロンボーンの合宿にも参加していただいていたんですよね。
弥生:そう、その時私は合宿に参加していなかったんですけど、アンサンブルのバストロンボーンパートを吹く人がいなかったらしく、呼ばれて行ったんです。私が先生と初めてお会いしたのが高校1年生の時の合宿でした。
高良:そうでしたね。合宿に参加していた何人かの中でも、やはり飛び抜けて上手だったのがこの二人。だから今こうしてプロ奏者として活躍しているのは、当然と言えば当然かな。

弥生:高良先生には単なる伴奏者という事ではなく、もっと大切な音楽作りの事を奥深く教えていただいたように思っています。
高良:私は幸せなことに、日本の演奏家だけでなく、海外から来られた著名な演奏家との共演も数多く経験させて頂いているので、皆さんに助言して差し上げられる事は、必要があれば言わせていただいてきました。
友子:先生からのアドバイスと言えば、トロンボーンカルテットの祭典「百花繚乱」に出演が決まったときの事を思い出します。ピアノ曲をトロンボーン・カルテットにアレンジした曲を演奏する事になって、是非ピアニストからのアドバイスを頂きたくって、それを先生にお願いしましたよね。
高良:あの時は共演相手がメトロポリタン・トロンボーン・カルテットとハイブリッド・トロンボーン・カルテットでしたよね。おそらく相当なプレッシャーがあったんじゃないですか? どちらも実力派の大御所のカルテットでしたからね。でもあの事をきっかけにティンツはずいぶん成長したと思う。私があの時にアドバイスしたことは、「4人それぞれの役割をもっと意識しなさい」という事。
友子:そうでした。先生はトロンボーン奏者ではないので、この楽器の奏法的な難しさを度外視して、音楽的な見解からズバッと言ってくださる。そこがありがたかったですね。
弥生:私は低音部を支えるパートですから、上に合わせてつけていたら、先生が「違うっ!」て。
高良:私はピアニストですから、メロディーもベース部分もすべて一人でこなしてゆきます。ベースはメロディーに合わせて“ついて”いくものではなく、和声をしっかり解った上で、上のパートが歌いやすいように“運んで”あげるもの。メロディーを“導いて”あげるのがベースの役割だと思うの。

高良:私にとっても、トロンボーン・カルテットとピアノで収録するのは初めての事でしたし、何よりもケッツァーの「コンチェルティーノ」は私も大好きな楽曲でしたから快く引き受けさせていただきました。そしてこの事はとても光栄な事だと思っていますし、私自身とても良い経験をさせていただいたと思っています。
友子:私個人としても、先生との共演が形として残せた事がとても嬉しいです。それに先生は多くの収録の経験をお持ちですので、安心して一緒に演奏していく事が出来ました。正直言って3日間の収録はとてもきつかったのですが、先生には精神面でも支えていただいたと感謝しています。
高良:そう言っていただけて、私も共演の甲斐がありました。これからのティンツに私はとても期待しています。女性4人のしなやかさを武器に、更にたくましさをプラスしてどんどん活動をしていってもらいたいと思っています。しっかりとした「ぶれない軸」を持ってもらいたいし、その「軸」をもとに進化し続けてほしい。そのためには自分自身のこと、自分たち『ティンツ』の事をもっともっと良く知っていかないとね。
友子:ありがとうございます。先生とは2011年のコンサート・ツアーに同行していただいて共演をお願いしていますが、何かアドバイスがあったら是非伺いたいのですが。

友子、弥生:本当にありがとうございました。
高良仁美 ≈ Pianist
武蔵野音楽大学卒業。
ソロリサイタル、室内楽、CD録音など、多岐に及ぶ活動を展開。柔軟な感性で誠実な演奏は共演者からの信頼も厚く、国内外の著名な演奏家と数多く共演を重ね、「作品の的確な解釈と優れた構成力、豊かな感性で音楽的に融合できるピアニスト」と高く評価されている。
CD金井喜久子ピアノ曲全集はレコード芸術誌上で特選を獲得。瑞慶覧尚子ピアノ作品集もメディアに多く取り上げられ話題を呼んだ。他に共演CDを多数リリース。2002年沖縄タイムス芸術選賞奨励賞受賞。