環境配慮は日常の業務や生活を窮屈にしがち。…もっと自由に生きられないのか?

 環境の現状は悲惨。 …未来に希望は持てないのか?

 経済の先行きは不透明。 …やり方はないのか?

 時代が大転換している今、豊かで幸せな人生を送りたい。…どうすれば良いのか?

1)人類は破滅の危機(破滅か繁栄かの分水嶺)!?

  ・危機に直面しているのは官学産民を問わない(運命共同体)

  ・温暖化や種の絶滅などの問題は多くの環境問題のひとつにすぎない

  ・政治、経済、教育など、社会のあらゆる分野で問題が噴出し、今までのやり方が通用しない

  
      















[65万年前からの大気中のCO2濃度と気温の変化]

長い時間で見るとCO2と気温は一緒に上下しているが、ここ50年ほどのCO2濃度の増加は加速されている




[1600年からの種の絶滅の変化]

近年、特に第二次大戦以降の種の絶滅の増加は恐ろしいほどで、今、13分に1種が地上から消えていると言われる

従来も自然の種の絶滅は存在したが、それは1000年に1種程度だったと試算されている

種の絶滅とはヒトで言えば、地球上から全人類が消えることを意味する


2)危機の原因は時代が変ったこと

  ・時代が変るとは、人々の『価値観・人生観・意識・理想像・求める物』などが変ること

  ・人々の『価値観』は、環境、経済、政治、文化、教育、倫理、モラル、宗教、日常生活など社会のあらゆる分野に大きな影響を与え、それらから逆に影響を受ける(相互作用)

  ・古い時代のパラダイムは通用しない(パラダイムとは考え方の規範・基準・標準のこと)

  ・硬直化した古い考え方、古いシステム、古い人材ではこの危機を乗り切ることができない

  ・新たな考え方・システム・人材が求められるが、逆に、新しければ何でも良いわけではない

  ・新しい時代にふさわしいパラダイムとそこから導かれる実践するための解決策が危急の課題


3)新たな価値観:個人個人の人生のクォリティー・アップこそが重要

  ・量から質へ(量は質の一要素にすぎず、量と質は対等の関係にあるわけではない)

  ・集中から分散へ(政治、経済、エネルギーなど、様々な分野で…)

  ・勤勉生活(高収入や名誉のためになりふり構わない)からゆとりある人生(余暇や心の充足を求める)へ

  ・社会や集団(他者)の価値観より個人(自分自身)のそれを優先する

   = 形・材料(パーツ)から機能・価値(システム)へ

   = 物質的豊かさから精神的豊かさへ(物質的充足感は豊かさのひとつの要素にすぎない)

   = ハード偏重からソフト重視へ、重厚長大から軽薄短小へ(小さく軽いことが技術革新)

   = 量的成長拡大からクォリティー・アップへ、量産から品質へ

   = 経済偏重から人間重視・環境尊重へ

   = 客観性・普遍性偏重から主観性・特異性重視へ

   = 中央集権から地方分権へ、集中エネルギー(石油)から分散エネルギー(太陽)へ

 

1)危機管理(リスク・マネージメント)

  ・新しい時代をいかに豊かで幸せに生き延びるか、いかに豊かで幸せな人生を送るか

  ・自然環境に配慮するのは、人類が豊かで幸せに生き延びるためにどうしても必要だから

  ・4大原則:事前の心構えと周到な準備、危機の認識、迅速で適切な回避行動、対処より予防

  ・危機を認識できないと回避行動に移れないし、周到な準備がないと間違った行動に走りがち

  ・即応性が大事:いくら危機を認識できても迅速に反応しないとダメ(検証は後でよい)

  ・リスク分散のために多様性が不可欠:画一化は大成功か破滅かのどちらかに陥りやすい

  ・発想転換ができる柔軟性が不測の事態にうまく対処するための前提条件

  ・1発当てるのはダメ:1回の大成功より持続的成功を目指す

  ・当座をしのぐのもダメ:問題の根本的解決を先送りしていると、いつか破綻する

  ・ワンパターンもダメ:1度成功した手法が次も成功するとは限らない

  ・新しい時代にふさわしい新しいパラダイムを探求する

  ・新しい時代にふさわしい新しいシステムを構築する

  ・鋭い直感と精力的な行動力を兼ね備えた新しい人材の育成と登用を進める

  ・新しい人材とは、専門知識と同時に広い視野と複雑な連関を見通す鋭い洞察力を持ったユニバーサリスト(全体を見渡せるT型人間)のこと

   (今まで求められた狭い専門知識だけでは時代の変化に柔軟に対処できないから)

  ・自立(脱依存・脱従属)が危機管理の基本(自立した上での相互扶助はさらに良い)


2)ニュー・パラダイム

  ・古いパラダイムの手直し程度では今我々が直面している危機をかわし切れない

  ・『近自然学』は新しいパラダイムのひとつの提案

  ・新しい時代の価値観に基づいた新しい考え方、新しいシステム、新しい人材を提供する基盤

  ・『近自然学』は合理的・論理的な考えだが、同時に人間の心理や感性や心も尊重する

  ・マニュアル主義・前例主義は完全に時代遅れ

  ・対立・競争・闘争をベースとする古い思考法から脱却しない限り、我々が直面している多くの問題の解決は不可能

  ・今までの常識的な考え方ややり方を一旦忘れ、原点に戻ってゼロから考え直そう


3)人間性の復権

  ・人間が主体の人づくり、まちづくり・国づくり(今まで、クルマ中心、経済偏重だったのでは?)

  ・全ては人々の豊かで幸せな人生のために貢献しなければならない

  ・気持良さ、直感などの意味を正しく理解し住みやすいまちづくり・国づくりに活かす

  ・今までは客観性や普遍性が重視(偏重か?)されたが、これからは主観や個性をより尊重する

  ・今までは男性一辺倒の社会であったが、これからは両性のバランスを取り直したい

  ・対立・競争・闘争・勝負・支配・強さなど男性(オス?)の思考法と行動様式一辺倒から脱却し、調和・両立・共存・優しさ・柔軟性など女性の持つ特徴も融合統合したい

  ・今までの理性・論理性などいわゆる左脳一辺倒から、感性・創造性など右脳支配の資質も尊重する

  ・それが新しい時代の価値観に基づく我々の幸せな人生に大きく貢献するからだ


4)全世界の『人間』と個人の『人生』を考えること

  ・新しい時代に豊かに幸せに生き延びることを通して、豊かさとは何か、幸せとは何かを考え、人類や、ひいては自分自身の人生を見つめ直すのが『近自然学

1)発想転換を!:ハシゴ段のつぎ足しはダメ

  ・問題対策として現状の小改善や何かを少しだけ追加するのがハシゴ段のつぎ足し

  ・現状を大きく変えなくてもよいので容易だが、これを続けるといずれ破綻する

  ・現在の色々な分野での問題はそのようなハシゴ段のつぎ足しではかわせないほど複雑で深刻

  ・今求められているのは根本的な発想転換だ

  ・つまり、原点に戻ってゼロから考えてみること(現実の問題に惑わされないため)


2)システム思考:パーツ思考からの脱却

  ・この世界は多くの事物(パーツ、部品、要素)が複雑な連関を持って機能するシステム

  ・パーツだけを集めてもシステムにはならない:パーツはシステムを構成する要素にすぎない

  ・素晴らしいパーツと素晴らしいシステムは別物

  ・例:人体の素晴らしい部分を集めて縫い合わせてもフランケンシュタインにしかならない

  ・良いシステムを作る『目的』のために良いパーツを集めるのは1つの『手段』とはなり得る

  ・パーツ偏重(部分だけを見て全体を見ない)から脱却したい

  ・細分化や分析はパーツ思考の特徴で、偏った解決策しかもたらさない危険性が大きい

  ・融合や統合はシステム思考の特徴、面倒なようだが最適な解決策をもたらす可能性が大きい

  ・システムを評価するためには多くのパーツの連関を見通すことのできる能力(洞察力)が必要

  ・スペシャリスト(専門家、I型人間)にはそれが欠けがちなので、ユニバーサリストの出番


3)両立・共存を図る:対立思考・競争思考からの脱却

  ・対立思考から抜け出さない限り、人類に明るい未来はない

  (対立思考とは、世界が対立した要素からなり、それらが競争し淘汰されることによって秩序が生まれ保たれるとする考え方)

  ・対立思考では必然的に二者択一(妥協・線引き・迎合)になり、全てを満足させることはできない

  ・対立思考では必然的に勝敗が生じ、一部の者だけが大きな利益を得ることになる

  ・豊かさと環境の両立(建設と保護の両立、経済と環境の両立)

  ・競争から協調へ、妥協から創造へ、線引きから新次元へ

  ・「豊かさ=環境負荷」ではないし「環境配慮=貧しさ」でもない

  ・つまり、真の豊かさは環境負荷が少ない

  ・禁欲と環境配慮は同義ではない

 (確かに常軌を逸した物欲は環境への負荷が大きいが、禁欲すれば環境貢献になると考えるのは典型的対立思考でしかなく、問題の根本的解決にならないだろう)


4)再生(可能)エネルギーと再生資源で豊かさを実現:脱石油

  ・環境負荷が大きく有限な資源である石油で豊かさを実現していては持続し得ない

  (1トンの石油を燃やすと、約3.1トンのCO2と約1.4トンの水が出る:これらは温暖化物質)

  ・環境負荷が少なく無尽蔵の再生エネルギーで我々の豊かさを実現すれば持続する

  ・再生エネルギーの99.97%が太陽エネルギー起源ゆえ、事実上太陽エネルギーがカギを握る

  ・計算上、太陽エネルギーは人類の使用量の約1万倍(日本では近海も含め約1千倍)存在する

  ・ただし、太陽エネルギーとは直接間接を合わせた全ての太陽エネルギーのこと

   =直接太陽エネルギー:太陽光、太陽熱

   =間接太陽エネルギー:水力、風力、波力、間接熱(冷熱を含む)、バイオマス(生物資源)

  ・まず自国にある資源エネルギーを最大限活用し、不足分を輸入するように考えたい

  ・農産物・森林・水産資源はバイオマス(生物資源)であり、太陽エネルギーの塊であることを再認識しよう

  ・日本国内の農林水産業の体質改善(脱石油)は危急な課題


5)石油の問題は枯渇ではなく『ピークオイル』

  ・ 石油は枯渇しない。それは埋蔵量がどんどん増えるからではなく、石油の残量が減ると価格が高騰して消費量が抑えられるためだ。

  ・つまり、石油の問題は枯渇ではなく価格だと言える。

  ・石油の価格はその生産量に大きく依存する。生産量が増えれば価格は下がり、反対に減れば上がる。

  ・石油の生産量はその残量が半分の時に最大となり、それ以後は落ちることが分かっている。

  ・これをハバート曲線と言い、1956年シェル石油会社の地質学者 M.キング・ハバート博士が、石油の埋蔵量と生産量との解析から得たベル型の曲線のことだ。


  ・アメリカ、インド、中国、ロシアなどの超大国はすでにピークを迎えている(ロシアは2010年)。

  ・全世界のピークオイルは、どうやら2005年春であったらしい(以後、この生産量を超えられない)。

  ・つまり、石油の価格はこれからどんどん上がることが確実だ(小さな上下の波はあるが)。

  ・「しかし、石油がダメなら、天然ガスも原子力もあるではないか」と思われがちだが、これらも有限資源である以上、ピークガス、ビークウランの宿命から逃れることができない。

  ・しかも、ピークガスは2015年頃、ピークウランは2020年頃である公算が高い。

  ・有限資源に依存していては、人類の明るい未来はないだろう。

  ・そこで、無限の資源エネルギーである、再生エネルギー、特に太陽エネルギーの出番となる。


6)負荷は集中、対策は分散

  ・環境負荷(破壊や汚染)は分散してはならない:環境へのダメージが大きくなる

  ・同じ負荷量(破壊や汚染)でも1カ所に集中すると環境へのインパクトが小さくて済む

  ・逆に、環境対策は1カ所だけ1分野だけに集中してはダメ:環境への貢献度はそれほど上がらない

  ・環境対策は程々で良いから色々な分野で世界中で実践する方が、環境への貢献度は上がる


7)プレミウム & ペナルティー

  ・環境に貢献する物や行為を積極的にバックアップするのが環境貢献プレミウム

  ・環境に負荷をかける物や行為への心理的物理的制裁が環境負荷ペナルティー

  ・自然や環境やランドシャフト(後述)は全人類の共有財産であり、これらを損なう者には弁償責任がある

  ・環境に負荷をかける自由はないが環境に興味のない自由は認めたい

  ・ペナルティーを払うなら、人生にとって重要な環境負荷行為もある程度認容できよう

  ・個人個人が自分の人生にとって必要なものと不要な物を取捨選択する自由が生まれる


8)『手段』と『目的(目標)』を混同しない:バックキャスト手法

  ・『フォアキャスト』から『バックキャスト』へ

  ・フォアキャストは前へ投げるという意味で、現状で最も良いと思う方策を実行するやり方

  ・最初の一歩を踏み出しやすいが、どこへ向かうのか定かでないため、右往左往になりがち

   (極端な話、正反対の方策でも、その正当性に対してもっともらしい理由付けができる)

  ・バックキャストは後ろへ投げるという意味で、将来の着地点を設定して、そこへ到達するための道筋(手法・方策)を考え実行するやり方

  ・バックキャストでは進む方向と将来の着地点が明確なので、右往左往を避けることができる

  ・まず進むべき方向を示す『ヴィジョン(理想像)』を明確にする(闇夜の北極星のようなもの)

  ・次に到達(実現)したい具体的な地点(状態)である『目標(目的・着地点)』を設定する

  ・その目標へ到達するための道筋(または仕事をするためのツール・道具)が『手段』だ

  ・我々が実行するのはこの手段(方策)だが、闇雲に行動すると手段が目的化する恐れがある

  ・手段(方策)が目的になってはいないか? 今一度、自問したい


8)ランドシャフトを環境評価の一基準に!

  ・ランドシャフトとは五感(視・聴・嗅・味・触覚)による心の動き(感動・好悪など)のこと

  ・景観・景域・景相・風景・風土・景色・風光・光景・情景・心象風景などと訳されるドイツ語

  ・良いランドシャフトは『気持良い:快い、心地よい、旨い、楽しい、香しい、愉快など』

  ・気持良い(快い)と『生き延びやすい』

  ・安全、食べ物が豊富、子孫が繁栄しやすい、心身に良い状態で我々は気持良いと感じる

  ・多くの人類(化石人類)が滅亡した中で、我々ホモサピエンスだけが幾多の危機を乗り越えて数100万年生き延びてきた

  ・我々人類には生き延びる能力・本能が備わっているからだ

  ・我々の五感は危険を察知するためのセンサー(アラーム・システム)として発達したことが分かっている

  ・気持良いとは我々の五感に違和感がないということ

  ・だから、気持良いと生き延びやすい可能性が高い

  ・人類の遺伝子の中には生き延びやすい状況を気持良い(快い)と感じる情報があるようだ

  ・そこで、『気持良い(快い)かどうか』を基準に、環境を評価したい

  ・気持良い(快い)環境は生き延びやすいだけではなく、住みやすく心豊かな人生を約束してくれるので多くの人々が求める物だろう

  ・気持良さは個人差が大きく評価基準にはならないという批判があるが、意外にもそんなことはない

  ・気持良いかどうかは、文化や生い立ちや世代の壁を越えて驚くほど似ている

  ・下の左右一対の写真では、人種や文化や生い立ちや世代に関わらずほぼ100%の人が右の事例を気持良い「グッド・フィーリング!」と答えた!

  ・こんな極端な例を出せば、右側が「グッド・フィーリング!」なのは当たり前ではないか…と思われるかも知れない。そう、当たり前なのだ。その当たり前を重視し尊重したい 

  ・誰でも参加できるので、それだけ環境を監視する目が広くなり、環境の異変を発見しやすいだろう

 

3)新しい川づくり

  ・治水(安全性)ばかりか、自然環境、ランドシャフト、親水性、自浄力なども同時に改善する

  ・その川の自然なダイナミクス(元気さ)をうまく利用するため、コストや環境負荷が少ない

   
    

   [再改修前のドイツ・バイエルン州ロイサッハ川]

   切り出した木材を下流のミュンヘンまで流すために、約100年前に真っ直ぐに改修された

   両岸は空石積みで護岸され水辺に近付けない

   単調なランドシャフト(景観)という問題だけではなく、川のエコロジーの問題、水質浄化能力の低下もある

   改修から100年近く経ち、再び水害が頻発しだした


   

   [再改修後11年目の状態]

   改修から100年を経て、再び水害が頻発するようになったため、1994年に近自然工法で再改修を受けた

   水害に対する安全性、ランドシャフト、親水性、エコロジー、自浄力などあらゆる点で改善された

   しかもそれがローコストで実現でき、環境負荷が小さいのが近自然工法の秀でた点


1970年代にスイス・チューリッヒ州とドイツ・バイエルン州で始まった新しい川づくり(スイス・ドイツでは『近自然河川工法』、日本では『多自然川づくり』と言う)は、人間の豊かさと環境を両立させた河川改修法だ。新しい川づくりでは、人々の豊かさのために、人命財産を水害から守ると同時に、人間の『心』も大切にする。心を大切にするとは、素晴らしいランドシャフト、つまり、気持良い川を実現することだ。

地球環境のためには、水循環を健全化すること、そして川が持つ自然のダイナミクス(浸食・堆積・洪水)を安全性を損なわない範囲でできるだけ維持または復活させること。自然なダイナミクスを実現できれば、動植物(エコシステム、生態系)のためにも、ランドシャフト(気持良い川)のためにも、親水性のためにも、そして自浄力(水質浄化能力)を高めることにも大きく貢献する。しかも、自然の力をうまく利用するため、土木工事が少なくて済み、従って建設が低コストで環境負荷の目安となるエネルギー投入量も少ない。

 

1)クォリティー(質)優先の選択基準を!

  ・量から質への価値観の転換

  ・量は質のひとつの要素にすぎない

  ・モノその物より、その機能や働きを重視する

  ・形式や様式より個性や創造性を尊重する


2)多くの人々の幸せを優先する

  ・少数の人の大きな幸せより、多くの人々の小さな幸せをより優先したい

  ・少数の人の利益のために多くの人々が犠牲になってはならない

  ・少数の人の目先の利益のために多くの人々の幸せの基盤である環境を破壊汚染してはならない

  ・例えば経済は人々の幸せに貢献するための物のはずで、経済のために人々の幸せを犠牲にするなど本末転倒も甚だしいのではないか

  ・同時に、「真の幸せとは何か?」を問い直そう


3)自然環境に配慮する

  ・我々人類も他の生き物たちと同様に自然や環境にバックアップされて生きている

  ・自然や環境が汚染されたり破壊されては我々の豊かな生活も持続し得ないどころか滅亡の危険性さえ大きくなる

  ・自然や環境に配慮するのは、ただ生き延びるためだけではなく、また心豊かに暮らせ、しかもビジネスからみても大きな付加価値となるからだ


4)明確なヴィジョンを持つことから始める

  ・右往左往を避けることができる『バックキャスト手法』の実践

  ・明確な『ヴィジョン(理想像)』から具体的な『到達目標』を設定する

  ・『手段(方策)』が目的化しがちなので要注意


5)システム思考を徹底する

  ・パーツ(部分、工法、資材など)への極端なこだわりを捨て、システムやその機能を重視する

  ・システム思考のためには、広い視野と複雑な連関を洞察する能力を養う必要がある


6)発想転換により、今まで対立すると信じられていた要素の両立を実現する

 (二者択一、妥協、線引き、迎合ではなく)


7)自立(脱依存・脱従属・脱迎合)を目指す

  ・他への依存・従属・迎合からの脱却は危機管理の基本でもある

  ・特に、衣・食・住・水・エネルギー・資源の面での自立の可能性をさぐりたい

  ・国だけではなく都道府県・市町村・家庭・個人などあらゆるレベルでの自立を図る

  ・自立と協調の両立を図る(「自立=敵対・排他」でも「協調=依存・従属・迎合」でもない)

  ・真の協調は自立した者どうしの間にしか存在し得ない

  ・相互依存は現実世界では不可避だが、利害が一致し得ないので対立や軋轢を増進させている

  ・自立を目指しながらも、同時に、相互扶助(助け合い)を進めたい


8)脱石油のあらゆる可能性を探る

  ・脱石油とは石油の使用量をゼロ(0%)にすることではない(その必要もない)

  ・50%の削減(半減)を目標として、そのための手法を考えたい

  ・再生エネルギー(太陽光・太陽熱・間接熱・水力・風力・波力・地熱・潮汐)と再生資源(木材などバイオマス)の有効利用を徹底する

  ・特に、バイオマスの資源(燃料ではなく)としての有効利用を徹底することが重要なカギ

  ・リユース(物やエネルギーの再使用)を繰り返すと石油の大きな節約になる


9)新しい人材(ユニバーサリスト:全体を見渡せる型人間)を育成し登用する

  ・現代は様々な問題が重層的に存在し、縦横に複雑に絡まり、従来の近視眼的なやり方では、ひとつの問題の解決が別の新たな問題を生んでしまい兼ねない

  ・今まで重用されたスペシャリスト(専門家)だけでは今の危機を乗り切ることはできない

  ・専門知識と広い視野を兼ね備えた新しい人材(ユニバーサリスト)を全世界が必要としている

  ・今までは、従属・勤勉・相互依存・自己犠牲・画一・行儀作法の形・客観性・強さ・時間厳守・業績拡大・協働能力・物を早く安く沢山作ること・細分化と分析力・年功序列・マニュアル・前例などが美徳とされ重視された

  ・これからは、個性・創造性・直感・感性・センス・ユーモア・行儀作法の心や意味・自立性・豊かな心・自由な発想・ゆとり・意欲・情熱・感動・美意識・芸術性・ゆっくりと良い物を作ること・連関を見抜く洞察力・特殊能力・国際性(外国語ができるかどうかではなく、世界や外国人を理解でき、世界の人々と対等に対話や議論ができる能力のこと)などが尊重される(だからと言って今までの美徳が全て否定されるわけではないが…)

  ・このような新しい人材をうまくまとめていくことのできる、プロデューサー(プロジェクト・マネージャー)が各分野で必要となる

  ・新しい人材育成(特にプロデューサーの人材育成)のためには自由な雰囲気の中で広い視野・豊かな感性・鋭い洞察力などを養い、個人個人の持つ能力(創造力、センスなど)を最大限伸ばすようにしたい

  ・今の教育システムが以上のような新しい時代の要求を満たせないなら、ユニバーサリスト養成のための新たな教育システムを作り上げなければならない

  ・ユニバーサリストの活躍の場を広げ、持てる能力を最大限発揮させることが多くの人々の利益につながる

  ・現状ではユニバーサリストの活躍の場がそれほど多くないかもしれないが、間もなく企業や行政にとって新しい時代を生き延びるための救命ボートとなるだろう


10)何かを批判する場合は、必ずより良い代案を提示する

  ・より良い代案を提示できないなら、批判は大きな意味を持たない(例外はあるが)

  ・批判する場合は、良くない理由と本来どうあるべきかを論理的に示そう


11)自らの意識改革を!:他者や外界を変えるには、まず自己や内面を変えよう

  ・『外界は我々の内面の投影である』というのが東洋哲学や西洋心理学の基本姿勢

  ・最先端の物理学では、我々の観察が素粒子の振る舞いに影響を与えることを証明している

  ・つまり我々の見る外界は我々の影響を受けているという意味だ

  ・そうであるなら、外界(現実世界)の問題は我々の内面の問題の投影とも言える

  ・現実世界の問題解決のために右往左往するのは対症療法なのではないか?

  ・他者や外界を変える努力より、自己の内面を変える方が手っ取り早いのかもしれない

  ・まず自分自身の意識改革をしよう!

1)新しいまちづくり

  ・集中高密度化して都市の機能性を高め、同時に環境負荷を低減するまちづくり

  ・本当に住みやすいまちは環境負荷も小さい:建設から維持、廃棄まで

       
  

                 [従来の地区割りゾーニング]

従来のゾーニングでは、住宅街、オフィス街、商店街、緑地など、分離された地区ごとに異なる性格があった

朝は住宅街からオフィス街へ、晩はオフィス街から住宅街へ、休日は住宅街から商店街へ、人の大量移動があり、ラッシュや渋滞が避けられない


      

      [ユニット分割し諸要素を近接配置した新しいゾーニング]

新しいゾーニングでは、従来の街の性格を活かしながら、様々な要素を混在近接させる

住居のそばにオフィスや商店、緑地や学校、さらには病院などがあり、日常の生活は近場で足りる



都市は資源エネルギーの全てを外部に依存し消費するだけだ。環境負荷が大きいが、同じインフラを多くの住民が共有でき、しかも負荷が集中しているので、環境にとって有利とも言える(負荷は集中の原則)。やり方によっては、同じ豊かさ・利便性・快適性を住民1人当たりでは少ない環境負荷で実現できる可能性があるのだ。


近自然学』による新しいまちづくりは、都市の機能性を高めて住民の豊かさ・利便性・快適性を上げ、同時に環境負荷を下げることを目指す。都市機能の向上と環境負荷低減を両立させるために、7本の柱がある。


 1. 太陽エネルギーの有効利用:自然光の採光などによる脱石油

 2. 市街地の集中と高密度化:コンパクト・シティを

 3. 大都市は内部をユニット(小単位・小規模集落)に分割し

 4. 職・住・商・学・育・医・緑・遊などの要素を近在させる

 5. 緑地の確保とエコネットワークの実現

 6. ランドシャフトによる心の復権:気持良く住みやすいまちづくり

 7. バウビオロギー(建築生物学)&バウエコロギー(建築生態学)の導入

(家の建築におけるバウビオロギー/バウエコロギーなどの新しい考え方は、住民の健康や住み心地の良さを高め、環境負荷を減らし、同時に社会全体での経済負担も抑える)

 

2)新しい道づくり

  ・安全、低エミッション、スムーズな流れ、そして走りやすい道路設計法


 
   

 [広く直線で見通しが良く夜は明るい、危険要素を徹底的に排除した従来の道]

   大事故や排ガスが多く、渋滞も起きやすく、運転が退屈で眠くなる


  

   [狭く蛇行し木々で見通しが悪く夜は暗い、緊張感の持続する新しい道づくり]

   事故・排ガスを減らし渋滞を解消すると同時に運転が楽しく眠くならない


従来の道づくりでは、1台のクルマが目的地へ迅速に移動できることを重視した。その結果道路は、

 ・広く、真直ぐ、平ら

 ・障害物がなく見通しが良い

 ・夜も明るい

 ・交差点は信号で制御

 ・すべての危険要素を排除

となった。しかし急速なモータリゼーションの発展により、1台のクルマだけではなく、群れや流れとして捉える必要性が生じた。また、交通工学・環境工学・交通心理学の進歩やデータ処理の高率化により、思いもよらなかった問題点が明らかになってきた。その最大のものが交通事故で、全世界で年間50万以上の人命が失われ、1,500万人以上が身体障害を受けていると言われ、その数はさらに年々増え続けている。


クルマに起因する問題の多くが、そのスピードが上がる(または増減する)ための弊害だ。現在のガソリン車は60km/hほどでコンスタントに走ると最大の効率を発揮する。つまり燃費が最も良く、同じ距離を走っても排ガスが少ない。また、沢山のクルマが同時に走る場合、1台の時の振舞いとは全く異なり、そのスピードにより流せるクルマの量が異なる。これは、物理法則と心理効果によりクルマのスピードと車間距離とが比例しないからだ。この効率の最も良いのがやはり約60km/h(高速道路では約80km/h)なのだ。


そこで、60km/hの速度規制をすれば良いように思えるが、実際にはなかなかうまくいかない。それは、道路が速く走るように造られているにも関わらず速度規制をするという、人間の心理を無視しているからだ。それならば、速度規制なしでも60km/hでコンスタントに走れるように道路そのものを造り変えてしまう。そうすると、

 ・狭く、左右にワインディング(蛇行)し、地形なりにアップダウン

 ・並木や木立などで見通しが悪い:心理的に障害物がある

 ・夜は暗い(合流点、横断歩道などは照明する)

 ・交差点はロータリーなどで制御

 ・軽い緊張感を与える(軽い緊張感は居眠り運転を防ぎドライブの楽しさにもつながる)

などと従来とは全く逆のものとなる。あまりに正反対なので、戸惑いや反発を覚える人が出るかも知れないが、考え方が違うので違いは当然なのだ。スイスでは10年以上の実績を積み、死亡事故の激減(1970年代には1年間の交通事故死者数が1,700名を越えていたが、2006年は370名に減った(2005年からも40名減)。しかも、クルマの数が1960年から現在まで10倍に増えているにもかかわらずだ。……もちろん道路設計法の改善だけの結果とは言えないが、それも大きな要因のひとつであることは否めない)という大成功を収めている。

 

4)新しいエネルギー & 資源利用

  ・再生エネルギー(主に太陽エネルギー)の有効利用とその割合を増やすことを考える(脱石油)

  ・太陽エネルギーは広く薄く分散しているので、石油エネルギーのように一カ所だけに集中して利用するのはうまいやり方ではない

  ・高価なハイテクを少しより、廉価なローテクをできるだけ広く使うのが良い

  ・太陽エネルギーの有効利用で忘れてならないのは、農林水産業の体質改善(脱石油化)

  ・ロスの多い輸送と変換を減らすことがエネルギー利用の基本

  
      


  風力利用は僻地に大型風車をズラーッと並べるのではなく、各家庭に小型の縦軸型風車を設置するのが良い

  しかも発電にこだわらずに、できれば風の力を動力として利用することをまず考えたい


太陽エネルギーが環境負荷の少ない無尽蔵のエネルギーであることは明確だが、地球上に十分にあるのだろうか? 計算上は、人類の消費しているエネルギー量の約1万倍(日本では近海を含めて約1千倍)あるのだ。
























しかし、太陽エネルギーは低密度で広く分散したエネルギーであり、我々が使い慣れた石油のように集中エネルギーではない。従って、その有効利用のためには発想転換が必要となる。まず、太陽エネルギーとは太陽光と太陽熱ばかりではなく、水力・風力・波力・間接熱(冷熱も)、さらにはバイオマス(生物資源)など色々な形がある。つまり、これら全てを適材適所で利用しなければならない。特に、木材などバイオマスは太陽エネルギー関係で唯一の固形資源なので、うまく利用したい。木材は大きな物から小さな物へリユースを繰り返す(カスケード利用)。このバイオマスの有効利用で忘れてはならないのが、農林水産業の体質改善、つまり石油漬けからの脱却だ。


エネルギーは形を変えたり(変換)遠距離を運ぶ(輸送)と一部(エネルギー変換では半分以上)が熱となって逃げてしまう(ロス、損失)ので、できれば避けたい。つまり、エネルギーはそれを必要としている場所で、必要としている形で得るのが基本原則なのだ。光を必要としているなら太陽光・自然光を採り入れ、熱を必要としているなら太陽熱や間接熱をつかまえ、動力を必要としているなら水力や風力などの運動エネルギーを利用する。どうしてもエネルギーの形を変えなければならないなら、できるだけその変換の回数を減らすように考えたい。または、エネルギー・ロスとして発生する熱を有効利用すること(発電の場合は『コジェネ』と言う)を考えたい。そうしないと、元々のエネルギーの大部分が逃げてしまうことになり兼ねない。

 

5)新しい農林水産業(農業を中心に)

  ・農林水産業はタダの太陽の恵みをマンパワーで付加価値を付けて提供する営み

  ・石油漬けからの脱却(脱石油)が持続する農林水産業への体質改善のカギ

  ・純所得(収入ではなく)を増やすために集約農林水産業から近自然農林水産業への転換を図る

  ・近自然農林水産業では『非集約・脱石油・地方色・季節感・クォリティー』などがキーワード

  ・安全保障上からも、衣・食・住・水・エネルギー・資源の自給率を上げる努力をしたい

  ・『里山・里海(漁村)』の景観は、健全な農林水産業という営みを伴わないと持続しない

 
   

      [野菜1kgの輸送に必要な石油の量](資料:WWFスイス)

      当然のことながら、地産地消が石油の投入量が最も少ない

      海外から、しかも航空便で輸送すると圧倒的に大量の石油を使うことになる


 

      [野菜1kgの生産に必要な季節による石油の量](資料:WWFスイス)

      旬の野菜が旨くて石油をそれほど使わない

      冬場のハウス栽培が石油を大量に使うとは限らない

      ハウス栽培は本来太陽エネルギーの有効利用法であり、暖房がいけないのだ


集約農業や農産物の大量輸入そして長距離輸送により「世界中どこでも、1年中いつでも、何でも、誰でも、安く」手に入れることができるようになった。冬にイチゴが当たり前のように手に入り、スイス・アルプスの山頂レストランでさえ寿司が食べられるようになった。素晴らしいことだが、喜ぶのは早い。何故なら、その反面、環境が汚染破壊され、地方色や季節感が薄くなり、食の感動を失ってしまったからだ。農業は我々の命を支える食料を生産する営みである。それは国家の基盤であり、安全保障上の要とも言える。「安全で健康で新鮮なその土地の旬の食材を、心を込めて美味しく料理し、楽しく食べ、しかも環境負荷が小さい」こと、「食を通じて心の豊かさや生きる幸せを実感できる」ことを目指し、『衣・食・住』を見直したい。


 ・できるだけ各種太陽エネルギーを有効利用し、石油漬けから脱皮する:それが持続の条件

 ・自然の摂理を最大限利用し、大型機械(トラクターや船舶など)や輸送距離をできるだけ減らしたい

(気持良いランドシャフトで省エネでもある伝統的な水田・水利用や漁法などを今一度見直したい)

 ・リスクの分散:国単位だけではなく地方でも衣・食・住・水・エネルギー・資源の自給率を高める

ただし、農林水産業の集約化(石油の大量投入)によって生産量を増やし、表面的に自給率だけを上げるのは間違い。食料や木材の海外依存を石油のそれに置き換えるだけだ。それに、環境負荷が大きい上に、衣食住の安全や美味しさなどの問題を生み、生産者の豊かさにも結び付かない可能性が大きい。

 ・安全性と健康、美味しさ

 ・食卓のランドシャフト(味・食の歓び・感動など)を大事にする

 ・季節感と地方色:地産地消を基本とする

 ・その土地に適した作物で、同時に多様性を重んじる

 ・農林水産業を十分な所得とモティベーションが持てる魅力ある職業にする

 ・経済性:正当な価格設定

(特に肉の適正価格を設定する:1kgのビーフは生産段階で7kgの穀物と7トンの水を消費すると言われる)

 ・収穫量や売上・収入より手元に残る所得の向上を目指す:資源エネルギーを節約して支出を減らす

 ・環境負荷ペナルティー(罰金・罰則など)と環境貢献プレミウム(報償・補助金など)を導入する

 ・『フードマイレッジ』や『バーチャルウォーター』を減らす


『フードマイレッジ』は食料をどれだけの距離輸送しているかの指標のこと。大きいほど環境負荷が大きく、小さいほど地産地消となる。また『バーチャルウォーター』は仮想水という意味で、工業製品や農産物などの生産に必要な水のこと。つまり、工業製品や農産物などを輸入することは、その生産に使われた間接的な水やエネルギーを同時に輸入していることに等しいのだ。日本は資源エネルギーだけではなく大量の農産物・海産物・木材などを世界各国から輸入している(海産物と木材は世界一の輸入国!)が、それはとりもなおさず世界中の水を独占していることを意味する。水不足が深刻化する今、世界から批判の声が高まっているのはそのためだ。

以上が、豊かさと環境を両立させる『近自然農業(有機農法+環境配慮)』である。

 

6)新しいビジネス

  ・環境共生はビジネスにとっての救世主!

  ・コストダウンは「資源とエネルギー」の節減で

  ・付加価値アップは「マンパワー:頭脳・手作業・肉体労働」の投入で

  ・収入(売上)優先から純所得(純利益)重視への発想転換

               

          この浮世絵の付加価値は北斎の卓越したアイデア・技巧、そして熟練工の手作業によって高められた


かつて、環境配慮は経済にとってはマイナスだと言われてきた。しかし、この認識は今大転換しつつある。石油があと40年ほど(オイルサンドを含めても約49年)で枯渇することが決定的だからだ(出典:OGJ 2005年)。枯渇の前には、石油の価格は高騰する。従来の経済は石油への極端な依存で成り立っていた。そんな石油に依存した経済に明るい未来はない。石油エネルギーから太陽エネルギーへの転換は、環境のためばかりではなく、実は経済にとっても死活問題なのだ。元々、経済と環境は密接な連関を持っている。


経済は我々の幸せを実現するためのひとつの手段だ。しかし現状は必ずしもそうではない。経済のためという理由で、我々の生活や人生を圧迫し苦しめていることすらある。これでは本末転倒と言えまいか。本来の人間本位の経済を実現したい。金本位制を止めた時点で、貨幣は実体のないイリュージョン(幻想)となってしまった。そんな貨幣経済の問題は一応置く。我々はこの貨幣経済のもとでどのように生きたら良いのか。コストダウンと付加価値アップを例に考えてみよう。


コストダウンは企業では当然の努力目標だが、安易に人件費の削減(いわゆるリストラ)でなされることが多いのではないか。これでは多くの失業者を生み、本人の不幸はもちろん、社会全体が貧しくなる。『近自然ビジネス』では、リストラは最後の手段だ。まず、地下資源と石油エネルギーの削減によるコストダウンを考えたい。

逆に、付加価値アップはどうか。今までは資源エネルギーの投入で付加価値を上げるのが一般的だった。地下資源と石油エネルギーの投入は環境負荷が大きいだけではなく、それらの乏しい日本では大きな支出を招く。つまり努力の割に利益が上がらないのだ。資源エネルギーの代わりにマンパワーの投入で付加価値アップを図ると利益や所得に結びつきやすい。


我々が欲しいのは収入ではなく手元に残る所得だ。その所得を増やすために収入を上げる努力を重ねてきたが、気付いてみると収入と同時に支出も増え、肝心の所得が一向に上がらない。これからは支出を減らして、たとえ収入が減っても所得を減らさない努力をしたい。それにより環境負荷を抑えるとともに、余計な仕事が減り、余暇が増えて、ゆとりある生活に貢献することにもなるだろう。

 

写真は2007年10月7日、北海道美唄市 アルテピアッツァ美唄で催された「近自然セミナー in アルテピアッツァ美唄」での講演のもよう。撮影:プロカメラマンの須田守政氏

 

文責:山脇正俊

『近自然(工)学(環境と豊かさの両立原則)』提唱・研究

スイス近自然学研究所代表 

北海道工業大学客員教授

SADO専門学校 ユニバーサルアドバイザー 

スイス連邦工科大学・チューリッヒ州立総合大学講師:武道

環境・オーディオ  コンサルティング 


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環境と我々の豊かさを両立させようという『近自然学』に興味を持たれた方は、以下のサイトもご参照ください。


日経BP連載

 連載前半:http://www.nikkeibp.co.jp/style/bizinno/kinshizengaku/article20040907.shtml

 連載後半:http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/kinshizen/


連山連載 http://www.teamrenzan.com/archives/writer/yamawaki/