news
「なぜ27位のステパネックがマスターズカップの補欠にえらばれたのか?」
毎年マスターズカップの補欠選びは大変です。選手たちの間では、「もうシーズンが終わってしまっている」ので、この時期は疲れた体と精神を癒すためにヴァケーションに出かけてしまっています。ふだん試合で旅行ばかりしている選手にとって、このヴァケーション時期は、家族と共にすごせる唯一の安らぎの時期です。それを全部フイにして、また戦場に戻っていくというのは、並大抵の努力ではできないことだと思います。しかしそれにしても、補欠代500万円を棒にふって(もし試合に出て勝つと、試合ごとに1000万円の賞金がつきます)、この名誉ある大会に出る選手がいないというのは驚きでした。
2005年の上海マスターズカップでは、ロディック、サフィン、ヒューイットが直前に怪我で欠場してしまったため、補欠探しが大変だったのですが、パタゴニアで釣りのヴァケーションに行っていたナルバンディアンに連絡が通じ、彼が急遽上海に飛ぶことになりました。そして何と、決勝戦で彼はフェデラーを破って優勝してしまったのです。こういう夢のような話もあるので、補欠とはいえ油断できません。でも今年のナルビーは最初から、補欠としては参加しないと言っていましたので、彼の出場は実現しませんでした。
さて補欠探しですが、OKの返事がもどってきたのは、27位のステパネックと35位のキーファーです。キーファーは「電話を受けたとき、こんなすばらしい機会は二度と訪れないから、喜んで上海に行く、と迷わず返事したよ。マスターズカップに招待されるなんて、すごい名誉なことなんだから、招待を受けた選手はすべて参加するべきだと思う。僕にとって今年の努力が認められたことになるので大変嬉しい。」と興奮を隠せないでいます。
ステパネックはタイでヴァカンスを楽しんでいました。でもキーファーと同じ理由で、即OK。しかしテニスバッグと身の回り品がなぜだか、中国の税関で差し止めを喰ってしまったのです。コンタクトレンズは注文して取り寄せることができましたが、ラケットは同じラケットを使っているジョコヴィッチから、ソックスはマリーから借りて、とにかく大変な状況の中、ステパネックはよくフェデラーと戦いました。
でもどうして他人のソックスまで借りなければならなかったか? 中国にはソックスはないのか? 私が思うに、日本でもそうですが、大男のサイズのソックスを探すのは大変です。多分市販のソックスでは小さすぎたのでは? でもマリーのお古のソックスでよく頑張りました。テニスウェアなどはどうしたのでしょうね。この辺のところはまだよく分かっておりませんが、何しろこのエピソードのおかげで、ステパネックの人気はうなぎ上りです。
「こういう緊急事態だったけれど自分なりに対応できたと思う。僕にとってはマスターズカップに出るのは夢なんだ。世界のベスト8が集まるんだからね。こうやってプレーできるのは、僕にとって本当に栄誉なことなんだ。」
この真摯な態度、選手の鏡です。ステパネックはさすがヒンギスが選んだ(一時婚約)男だけあります。やっぱり男は顔じゃない!(ステパネック、ごめん)
Thursday, November 13, 2008
ステパネックは選手の鏡: 2008 上海マスターズカップ